Cuernavaca

神奈川県南西部 食と生活

サンマー麺

今から20年程前の話です。
当時長く勤めた会社を首になり辞め、PCスキルを高めようとHtmlのタグ打ちやフォトショップの加工に挑戦していた頃です。ブログなるものが生まれそれを始めると、なんとも簡単に一ページができあがることを知りました。それが結構面白くなって、ネタを探しにポタリングやら時に車で遠出をしたものです。
0502 (1)
この店には「サンマー麺」特集と題し記事をまとめているときに訪れました。
閉店の時期は定かではないのですが、現在は昔をリスペクトする志の高い不動産屋さん「旧三福」が跡地で営業しています。
まさに、街中の小さな中華料理屋。お客さんも近所のおじさん、おばさんといった方々です。
しかしそのサンマー麺は具も含め独創性がありました。
sannpuku
サンマー麺680円也。
典型的サンマー麺の登場を予感していただけに、ある種驚きがありました。
あさり、えび、イカなど魚介を使い、それがうまさを助長します。
もやし、ブタこまなどはあまり量が多くなく、その代わり白菜が多く見られます。
餡はあまりとろみが強くありません。熱さもさほどではないのですが、その下の基礎のラーメン部分は正統的な、中華の味です。

この日はサンマー麺にしか目が行かず他にどんなメニューがあったのか全く記されていませんでした。惜しむらくは、この店でもっといろいろな料理を味わいたかった。
~想い出は美しすぎてそれは悲しいほどに~
にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 小田原市情報へ
にほんブログ村

中華系ラーメン店の雄、海龍を訪れました。
サンマー麺750円也。

醤油色が濃く油もうっすらと浮かんでいます。細かく刻んだねぎも表面に見られます。

麺は細くちぢれたもの。食べ始め頃の触感はよかったのですが、次第に伸びてきました。

50c1643b.jpg

スープは鶏がらのダシ感が強いもので、口に含んだ瞬間うまいと思いました。
餡はもやし、キャベツ、にら、筍、にんじん、きくらげ、それらが皆細く刻まれ、非常に丁寧に形が整えられています。
この仕事には感嘆しました。

全体的に餡の量はすくなく、自身の存在を主張しない細めのもやしを含め、どの具も突出することがありません。
スープとの融和度は高く、違和感なく実にスムースなのですが、言い換えれば餡にインパクトがない、非常に上品なサンマー麺とも言えます。

”野菜のたっぷり載ったおいしいラーメン”と”サンマ―麺”とを分かつ、ひとつの重要な要素・・・。
かつて”まかないめし”として誕生し、多くの庶民に愛されたそんな無骨さ、素朴感というサンマ―麺本来の性質がありません。

ラーメン本体の完成度、ウマさはかなり高く、中華料理店の麺料理というよりも、ラーメン専門店の味です。
原点から、素材や料理技術で一つ先の領域へ踏み込んだ、これこそがラーメン専門店の提供するサンマ―麺のひとつの形なのでしょう。


↑このページのトップヘ