Cuernavaca

神奈川県南西部 食と生活

ラーメンチャーハンセット

もう30年も前のこと。
かつて横浜市鶴見区に住んでおりました。
先日、大田区蒲田に用事があり出かけたのですが、その帰路立ち寄ってみました。

覚えている場所がある 変わってしまった処 永遠に失われたところ

変わらないところもある
すべての場所は時を有している
わたしは思い出すことが出来る。愛した人や友人達
生きている者も去ってしまった者も
人生のなか、私はすべてを愛している

な~んてジョンレノンの心境に至ろうと試みたのですが、強烈な懐かしさであるとか、強い感情は生まれてきませんでした。
この町にいた頃、日雇いの旅行添乗員を生業としていました。一年の半分以上他の町で起居し、この町に対する思い入れはそれほど深いものではなかったせいもあります。
しかし長い旅行から帰り、時差ぼけの頭を抱えながら遅い午後、たびたび訪れた”ある食堂”だけは再訪を試みる強力な原動力になっていました。日本に帰ってきたという実感を強く味わえる処であり、それはある種”郷愁”に似たものでした。

時は12時すこし過ぎ。目的店舗は喫煙可能店なので繁盛時を外して行くのが良いと思っていました。
そこで京急鶴見Wing内の「神田屋」にて一杯引っかけて行くことに。
生ビール、冷や奴、アボカドのフライで始まり、チューハイを追加。
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もう一品、フライドポテトを追加。チューハイもお代わりし2千ベロとなりました。
驚いたことに、昼時駅近辺のこういう店舗であっても店内半分以上が酒飲みw
女子会まで開催されていて、罪悪感なく、気軽に、そしてゆったりと過ごせます。
単騎酒飲みは半ば放置状態で扱ってくれるところも良いですね。
こういう雰囲気、鶴見に特有のもので久々に堪能いたしました。

さて、メインの目的店舗は神田屋のすぐ目の前にあります。
「中華そば生そば タイガー」です。
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13時過ぎの入店。先客は2名×3ほど。リノリウム敷きのテーブル席に腰掛け、入り口付近の見上げるようなテレビ画面を見ながら料理の登場を待ちます。ちなみにテレビではドジャース大敗北の様が映し出されていました。もうロハス投手になっておりドジャースも試合を投げてしまった段階でした。
料理はすぐに登場。
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ラーメンと半チャーハン(ラーメン500円、半チャーハン350円、〆て850円也)
ラーメン~スープは「昔ながらの中華そば」に欠かせないある種の旨味を醸し出しています。遠くにある魚介風味、それが常に香っているほか、油、ダシ、タレがどれも単体で強く主張することはなく複合的に攻めてきます。ダシの素が何であるか、もどかしくも言い当てることは出来ないのですが、”町中華”と一概に言える単純なものではないことは確かです。
麺は細く縮れたもの。適度な堅めゆで加減がいいものです。
載せものは多量のシナチク、刻みネギ、なると、チャーシューはもも部位だろうか、しっかりとした肉質です。(チャーハンに多量に入っている厚みのあるものとはちょっと違うな、、、などと思った記憶があります)
チャーハンはまさに理想型。(ちょっと味が塩辛いかな、、、でもそういうのに耐性のある私ですので好みにドンピシャ)コロチャーシューがこれでもかとばかりたくさん入っていておいしい。ラードの甘さ、ねぎ、卵そういうのが炒めの絶妙さを持って渾然一体となっています。具材のどれもが主張するが融和するものです。
今でも私の中で「ラーメンチャーハンセット」のスタンダードとして記憶に刻まれる料理なのです。
いつしかテレビ画面に目が行かずひたすらむさぼり食う状態になっていました。
ちょうどラストオーダーとなり女将さんが追加の有無を聞きに来てくれました。
ラーメンチャーハンともかなり塩辛く水の消費が早かったのですが、すぐにつぎに来てくれました。
メニューは豊富です。中華系に留まらずカレーや、そば・うどん、定食類も充実しています。
町中の老舗食堂としての人々に長く愛され、今も健在である貴重な場所です。
喫煙可能であるところが玉に瑕。店内の清潔感とか気にする方にはちょっと向いていないかもです。

ちなみに鶴見のこの界隈に新たに「バーグ」鶴見店がオープンしました。
「タイガー」で食した後、散歩も兼ねて店の様子もうかがってみたのですが、2時頃でも満席状態でした。腹ごなしに鶴見川まで歩き川沿いを散策しましたが、川の水も少しはきれいになっていたようです。

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理想のラーメンチャーハンセットを求めて。
昼飲みの流れで徒歩にてたどり着きました。
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13時頃入店。カウンターは実質”死に席”のようで、真ん中の6人掛けテーブル・パーティション完備の場所を指定されました。ちなみに単騎女子が私のすぐ後に入店しましたが彼女も私の対角に座りました。
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Googleマップのコメントによると「オムライス」なども人気のようです。私の視線奥テーブル席に座っていた郵便局職員とおぼしき方はカレーを食っていました。食堂的な面も併せ持つお店って昔からの町中華にはよくありました。メニューを見ただけでなんか懐かしいものがあります。

さて、ほとんど待たずに料理が登場。
ラーメンセット1000円也。
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ラーメン~麺は細ストレート、ゆで加減柔らかめ。強く主張するものはないがダメなところは全くない。普通とはこういうものを言うのかという典型的なもの。(麺類は50円+で手打ち麺に変更可能だそうです。後ほど知りました。)
スープは油控えめ、塩分高め、醤油感強いもの。はるか遠くに魚介の香りがあるのですがすぐに消えてしまいます。正統町中華のラーメンとは少し違う。
細切りされたシナチクと紅ショウガとおぼしきものが載っています。これがスープの味に影響を及ぼしているようです。その他載せものは刻みネギ、なるとなど。チャーシューがあったかどうか失念
麺を食い終え、チャーハンのお供とすべく酢を入れて見るも強い醤油感は拭えず。少々の違和感が残ったものです。
チャーハンはパラパラ系。ラードの廻りも良く満遍なく米粒を覆っています。ラーメンに比して味付けは控えめなのでラード由来の甘みも感じられる。昔懐かしの王道的なもので私の好みにドンピシャでした。例のごとく半であってもかなりの量。載せられた皿が小さいものだったのですが、溢れんばかり。
実は私とほぼ同じ時間に入店した単騎女子は奇しくも私と同じメニューを注文したのですが、このチャーハンの盛りにかなり手こずっているようでした。私が食い終え水など飲み干している間彼女の杯を伺うと、まだ2割にも満たない進行具合でした。
ガバッとレンゲで掬うのではなく、裾野部分からほじくるように少量をレンゲに載せているような感じなので時間がかかりそうです。果たして彼女は完食なったのか?それは気にはなったのですが、いつまでも待っているわけにも行かずちゃちゃっと北里を置き退散した次第です。(直接手渡そうとしたらトレイに置けと言われたのでそう表現しています)
フロア担当の女将さんはテキパキとしていてかなり実務的な接客。それは気持ちの良いものなのですが、何処かしら大陸的なところがなきしもあらず。こういう場所で多くの観光客や常連を捌く熟練の一種と見て良いのでしょう。
しかしこのお店すごいところに立地しています。
店に向かって左には江戸期に建てられた大手門の鐘楼などがあります。お店自体も創業100年だそうです。
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久野に支店がありそこは何度かお邪魔したのですが今回の本店訪問は初めてでした。
小田原で中華をいただくなら外せないところですね。

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